社会人2年目となったときに、来年には自分のクルマが持てる。ということで社内積立の額を増やして幾らかの貯金を始めた。車が欲しいという目的が貯金をさせたのである。
とはいうものの、パチンコ主体の生活は相変わらずで、生活に足りない分は社内積立をおろすので、車を買うために貯金が大幅に増えることは無かった。
車の購入を真剣に考えれば考えるほど、金の無いことが腹立たしくなってくる。
駄目元で親父に話してみたら、50万は貸してくれる、と。
欲しい車は新車のS13。なんとか社内積立で50万はあったので、合わせて100万を頭金にローンを組んだ。
初めての借金である。これまで浪費はしていたものの「借金」はしたことが無かった。
車を買うときにもっと貯金をしなかったことを後悔したが、思ったのはその時だけ。
車の購入で金が無い。成人式を間近に控え、スーツが欲しい。ブランド物のスーツが欲しかったのだ。
買うのを我慢するか安いスーツにするのが普通じゃないかと今更ながら思う。
我慢をすること、過去に我慢をした経験も少ない枯れ男だった。
そんな枯れ男が作ったもの、スーツを買うにあたって作ったものがクレジットカード。初めてのクレジットカードである。
この頃、コンポも確かローンで買った。
月々の借金返済はこの時点で5万円前後だったかな。それでも毎月の給料で返済できるから大丈夫とこのときは思っていた。
ローンの返済におわれた貧乏な生活が始まった。
それでも生活は変わらない。相変わらず、ヒマさえあればパチンコ・パチスロ三昧の日々。
決して生活を改めようとしていない自分がいた。それどころか浪費は加速の一途を辿っていくのであった。