「視神経萎縮症」という病気で、脳内視神経の病気により視力が低下したのだ。
発症から6年、視力は全く無くなり父は会社を退職することになった。
枯れ男の実家は少しであるが、農業を営んでいる。主は稲作。
母や祖母の労力にも限界があるし、農機を動かすこともできない。
そのような事情により、会社の計らいで自宅から通勤できるところへ転属になったのが平成4年。
それから枯れ男は実家住まいとなり、気になるあの子とは自然と会わなくなった。
新しい職場は前の職場と比べるとヒマだった。
毎日「定時」で退社できるので、パチンコ店通いに拍車がかかる。
パチスロは連チャンの激しい裏物が全盛を極めていた。
激しい連チャンで10万勝つこともあった。それだけ勝つということは負けも激しくなるということになる。
当然、枯れ男も時流の波にのっていた。当たればでかい、爆裂を追い求めて湯水の如く金を使う。
大勝ちに一喜一憂し、多少の負けは気にしない。当たれば取り戻せると思っていたから。
そう簡単にうまくいくワケがないことに気付いていなかった。
パチンコ・パチスロなどのギャンブルにより多重債務者が増え始めたのもこの頃だろう。
「射幸心を煽る」ということで、パチスロには規制がかかった。
激しさを追い求めるギャンブラー達が向かう先は連チャン機。連チャンデジパチ、アレパチや権利物へ群がっていく。
綱取物語、アレジン、エキサイト、ソルジャーなどにいくら散財したものか。
枯れ男の経済状態は更に悪化の一途を辿るのである。
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